【タイトル 】スーパーロボット対戦K
【ハード 】ニンテンドーDS
【稼動日 】2009/03/20
【ジャンル 】シミュレーションRPG
【プレイ状況】2周くらい
●DSスパロボ2作目。その出来栄えは……
SFC以降のハードでは大体2作以上は発売される位メジャーなハードスーパーロボット対戦シリーズ。
ニンテンドーDSにおける2作目が『スーパーロボット対戦K(以下『K』)』である。
ニンテンドーDSで1作目に発売された『スーパーロボット対戦W(以下『K』)』の評価が高かったこともあり、多くのプレイヤーが『K』に期待していた。
なのに……
●新規多めの参戦作品群
参戦作品はシリーズ初参戦の作品がかなり多い。全14作品の内、6作品が完全新規、11作品は携帯機初参戦となっている。
また、全体的に2000年代の作品が多くDSを持つ若い世代をターゲットにした作品であることが伺える。
何気に「ガン×ソード」「起動戦士ガンダムSEED STARGAZER」がシナリオ有りで参戦しているのは本作のみである。
そのほかシリーズへの参戦が少ない作品として「神魂合体ゴーダンナー」「機獣創世記ゾイドジェネシス」「電脳戦機バーチャロン マーズ」「蒼穹のファフナー」「ガイキングLOD」「鋼鉄神ジーク」等が登場する。これらは『K』以外にも参戦しているが合計2~3回しか参戦していない。
メジャーな参戦作品は「マジンガーZ」「機動戦士ガンダムSEED DESTINY(※1)」ぐらいである。
その他、「破邪大星ダンガイオー」「オーバーマン キングゲイナー」が参戦している。。
他にもガンダムがSEEDシリーズのみ、ゲッターが不在とかなり珍しいラインナップである。
●『W』から正当進化した戦闘グラフィック
前作『W』の時点ではGBA時代の流用も目立ったものの、本作の戦闘グラフィックはニンテンドーDSの2作目らしく大きく進化を遂げている。
前作以上によく動くドットはもちろんのこと、携帯機ながらパイロットが大きく映るカットインが多く、武器によってはそのままアニメーションも入るため見ごたえがある。
特に「ガン×ソード」の機体は全体的に演出が凝っており、主人公機「ダン・オブ・サーズデイ」の最強武器である「神は裁き」は一見の価値あり。
●シナリオの評判は残念ながらイマイチ
主人公の「ミスト・レックス」は敵の襲撃により壊滅した星から地球に逃れてきた異星人であり、地球では正体を隠して暮らしているという設定。
重い過去持ちの割に明るい性格ではあるがそれ故に失礼な発言や態度も目立つ。
自身が生まれた星が地球より優れた技術を持っていたからか何かと地球と比較して故郷の素晴らしさを語りだしたり、大空魔竜(※2)の廊下で頻繁に愚痴る、版権キャラと絡まない等々色々問題のある主人公である。
気になった人は「ミストさん」で検索してみるといいだろう。
主人公だけでなくシナリオ全体に雑な印象が強い。
特に後半は主人公達の手が回らない相手はとりあえず「オーブ軍(※3)」が何とかしてくれているという一言で片づけられてしまうことが多々あった。
「フェストゥム(※4)」が相手でも時間を稼げてしまう辺り、この世界の「オーブ軍」優秀過ぎる。
本作の参戦作品群は自分が原作未視聴の作品が多いためなんとも言えないがシナリオ改悪、キャラが違うなど原作ファンからも厳しい意見が多い。特に「蒼穹のファフナー」や「機獣創世記ゾイドジェネシス」周りが酷いとのこと。
スパロボの魅力である作品間のクロスオーバーも弱く、各作品の問題を個別に解決していくような展開が多くイマイチ盛り上がりに欠ける印象。前作の『W』がその辺りをかなり上手くやっていたことも不満に拍車をかけていたように思える。
何かと褒める点が少ないシナリオ回りだが「電脳戦機バーチャロン マーズ」関連の部分だけは評価が高い。
初参戦だった第3次αがほぼシナリオ無しのゲスト参戦だったことに比べ、『K』ではキチンと原作通りの設定で参戦して尚且つシナリオも良い。クレジットにバーチャロンシリーズのプロデューサーの名前が入っていたことから、キチンとした監修の賜物ではないかと囁かれている。
●よりによってウィンキー時代みたいな調整を……
「オーバーマン キングゲイナー」「機獣創世記ゾイドジェネシス」「ガン×ソード」「神魂合体ゴーダンナー」
これらの作品は原作に宇宙での戦闘が無い。
なので当然と言えば当然なのだが昨今のスパロボで地形適用をBにするのはやり過ぎではなかろうか。
それこそ強化パーツで補わないとマトモに宇宙で戦えないとか流石に酷い。因みに宇宙マップはそれなりの数がある(調べ直してみたら『K』は地形の影響が他作品に比べ大きかったらしい。なおさらBを設定するのはマズいのでは……)、
●音楽回りは大問題
作中に使われているBGMが一部盗作(※5)であることが発覚し、公式サイトに謝罪文が掲載される事態となった。シャレにならん。
また。容量の関係かボイスは無しである。ニンテンドーDSで発売した作品は全てボイス無しなのでこれはやむ得ないか。
ちなみにニンテンドー3DSからはボイスが付くようになる。
余談だが同時期に発売されていたPSPの同シリーズは全てボイス付きだが最初に発売した『スーパーロボット対戦MX』はロードが長かったりと色々問題もあった。後の作品ではメディアインストールでこれらの問題を解決している。
●光る部分はあるものの……
やはりマイナス面が目立つ本作。実際中古ショップなどでも『W』と『K』で倍近く値段に差があるのも珍しくない。
とはいえ、戦闘グラフィックやレアな参戦作品群とこの作品にしかない魅力があるのも事実。シナリオさえ気にならなければ充分に楽しめる作品であることは間違い無いと思います。暇な時期だったとはいえ私自身2周してますしね。
今回の記事はこの辺で。同シリーズでも不遇の作品であるニンテンドーDS最終作『スーパーロボット大戦L』についても機会があれば紹介したいですね。
※1:実は「SEED」より「DESTINY」としての参戦の方が多い。
※2:「ガイキングLOD」に登場する母艦で早い段階から加入する。廊下は(ミストさんの)友達。
※3:「起動戦士ガンダムSEED」シリーズにおける中立国、オーブの軍隊。M1アストレイとムラサメ位しか戦力無いはずなんだけどなー。
※4:「蒼穹のファフナー」シリーズの敵。心を読む、空間攻撃持ち、数が多いとヤバい要素満載。
※5:「エストポリス伝記Ⅱ」と「クロノ・トリガー」から1曲ずつ。元曲知っている人が聞けば即バレレベルの盗作。